Twitterがしんどいのは、〇〇だからだ!

はじめに

 こんにちは。今日は天気が良かったので、京都の嵐山までサイクリングしてきた。やはり体を動かすのは気持ちがいい。気温が高くなってきたので、皆さんも熱中症には気をつけてください。

 今回まとめる本は『遅いインターネット 「いま必要なのは、もっと<遅い>インターネットだ」 (宇野常寛)』。ネット回線を遅くしてどうするんだ?と買ってみたが、全然違う<遅さ>だった。SNSトランプ大統領の宇野さんの捉え方が良かったので、興味のあるある方はどうぞ。

 

 

グローバル化に伴って、ローカルな同調圧力は増す

 グローバルな時代と言われて久しいが、国や文化によらずにグローバルに活躍出来る人とは、境界のない世界に生きていると言える。このような人達はAnywareな人と呼ばれ、直接世界と関わっている感覚を持っている。逆に、生きるために特定の国や文化、つまりある場所を求めている)が人はSomewareな人々と言える。

 トランプ大統領の当選は、アメリカ国民がこの”ある場所”を求め、ナショナリズムが進んだ結果と言える。Anywareな人々は、住みにくい国になったとしても「他の国で生きていけばいいや」と考えるが、Somewareな人々はそうはいかないので、Anywareな人々が多くなるにつれ、取り残されたSomewareな人々によるボトムアップ同調圧力が増していく。今後は日本でもこの同調性によって国民が締め付けられるようになっていくだろう。

増加する同調圧力への対抗策

 では、同調性に束縛されない社会をつくるにはどうすれば良いだろうか。まず、筆者は世界と個人とを繋ぐもの(つまりメディア)を、[日常]-[非日常]と[他人の物語]-[自分の物語]の軸で以下の図のように分類している。

  この分類で日常x自分の物語の領域に望みが有ると筆者は考えている。なぜなら、他の領域の要素は、これまでの社会を支えてきたが、現在はSomewareな人々に聞こえの良いことしか言えなくなっており、このグローバル化した世界には対応できなくなってしまっているからだ。さらに、テクノロジーの発達により、私たちは、日常的に世界に向けて手軽に発信し、また世界の情報を得ることが出来る時代になり、日常x自分の物語で世界と個人とが繋がれるようになったためである。

 この日常x自分の物語の領域を生かすのに必要なものが、本書のタイトルの<遅い>インターネットである。<遅い>インターネットの説明の前に、なぜ現在のインターネットではダメなのかを書く。

 

 現在のSNSでは以下の現象が生じている。

  • リアルタイム性を求められている
  • イイねやシェアやフォローを求めがち
  • 5年後や10年後に読まれるコンテンツが皆無

 その結果人々は、特定の意見や出来事に対し、ろくに調べも考えもせずに賛否を述べることばかりするようになり、どんどん周りと同じ発言しかしなくなる。つまり、世界に発信できるようになったことで(一部のひとびとを除いて)人々はバカになったのである。

 この状況を改善するために<遅い>インターネットが必要なのである。

 <遅い>インターネットの目的は以下である。

  • 良質な読者を作る
  • 読者に良質な発信を身につけさせる

 それぞれの目的に対する、<遅い>インターネットの行動指針は以下である。

 良質な読者になるためには以下を身につける。情報に対する速度・距離感・進入角度をコントロールできるようになる。SNSのタイムラインによって焦って答えを出したり、煽動されないようにし、出来事や意見に対する切り口を自身でコントールする。

 そのためにも、良質な発信を身につけることが必要になってくる。良質な記事を作ることで良質な読者になるための能力を培うのである。発信する際は、以下のことに気をつける。

  • リアルタイムを求めない(しっかりと調べ考え、発信する)
  • イイねやシェアやフォローを求めない(同調性に流されない)
  • 5年後や10年後でも読まれるコンテンツを目指す

 グローバル化する世界で、同調性に束縛されない社会をつくるためには、この<遅い>インターネットを取り入れた世界との繋がり方が必要になってくる。


おわりに

 私は、Twitterのタイムラインの速度が早すぎるため、しんどくなり、Twitterをやめたことがある。そのため、<遅い>インターネットに共感できる部分がある。また、最近復帰したTwitterでもこの本で指摘されている現象が自分自身に起きていることを実感し、周りと同じことしか言えないバカになってしまう危機感を感じることができるようになった。

 筆者の宇野常寛はPLANETS CLUBというコミュニティを開いており、月額5000円ほどで、良質な読者になるための機会を作っている。興味のある方はいかがだろうか。私は大阪に住んでいるので、東京のイベントにリアルに参加できないことから、加入しようかどうかと悩んでいる。動画資料だけでも興味あるのだが、どうしようかなあ。

ではでは。

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